女性の更年期障害の症状~予防と対策

女性の更年期障害の症状~予防と対策

お客様からご相談いただく中に「更年期かなぁ」というものがあります。
実は私も数年前更年期障害を疑ったことがあります。
お客様に「婦人科で検査できるよ」と教えて頂いて、月経困難症で通院している婦人科で検査してもらったのですが、結果は
「まだ全然心配しなくて大丈夫」とのことで、かなり安心したのを覚えています。
出産経験がないと早く来るとか、人によって長引くとかいろいろ言われていますが、そもそもどういう原理でなるのかをよく知らない方が多いと思います。
私の母はもう終わっていて、姉はそろそろかなぁというこのタイミングで、詳しく調べてみようと思い、ついでにコラムを書いてしまおうと思い立ちました。
更年期障害が起こる原因、なぜ女性に多いのか、どんな人がなりやすいのか、予防はできないのか?などなど、私が疑問に思ったことを片っ端から皆さんと共有しようと思います。
今、自分が持っている症状が更年期障害なのか悩んでいる方や、私のように家族がそうかもしれないと思っている方に一人でも多く届けばと思います。
それでは最後までお付き合いください。

更年期障害とは?

なぜ更年期障害が起こるのか?

更年期障害

そもそも更年期障害はなぜ起こるのでしょう?
今回は女性に絞ってお話させて頂きますが、原因としては、女性ホルモンである【エストロゲン】の分泌量が急激に減少することです。ホルモンバランスが乱れてしまうのです。
女性は平均して50歳前後で閉経を迎えます。そして、閉経を境に【エストロゲン】の分泌量が大幅に減少します。
【エストロゲン】は脳の指令によって卵巣から分泌されますが、更年期には卵巣の機能が低下しているため、脳からの指令がいくらあっても分泌量が増加しません。
この状態が続くことで、脳に混乱が生じ、自律神経が乱れてしまい様々な症状があらわれてしまうのです。
閉経を挟んで、前後10年間、つまりだいたい45歳から55歳にかけてを≪更年期≫と呼び、更年期に起こる色々な心身の不調を≪更年期障害≫と呼びます。


どんな症状が起こるの?~身体編

では、心身共にどんな症状があらわれるのでしょう?
まずは身体に現れる症状からご紹介します。

☆ホットフラッシュ
顔のほてり、上半身ののぼせ、発汗などが起こる症状で、急に顔が熱くなったり、汗が止まらなくなったりが一日に何回も出ては消えます。一回の発症につき2分から30分続くことがあります。
自律神経は、血管の収縮や拡張をコントロールしています。そのため、エストロゲンの分泌が減少し、自律神経が乱れてしまうことで症状が出てしまいます。
私の母は、真冬に窓を全開にして食事をしたりしていました。頭や顔に玉のような汗を突然かくのも特徴の一つです。
暖かい部屋でのドライヤーの使用などで誘引することもあります。

☆動悸
特に理由なく突然脈拍が早くなったり、夜寝ている時に動悸が激しくなり不安感や不眠を招く場合があります。
これも自律神経の乱れが原因で起こりますが、心臓などに異常がないか確認してからでなくては正確な判断が難しいでしょう。
動悸が起こるだけであれば、循環器内科を受診して、心臓に問題がないかを確認してから婦人科を受診しましょう。

☆不眠
前述しました通り、動悸が原因で不眠を引き起こす場合があります。
さらに、自律神経は睡眠とも密接に関係していて、自律神経の乱れが原因にもなります。

☆肩こり、頭痛、手足の冷え
こちらも自律神経の乱れによって、血管の拡張と収縮が正常に行われていないため起こる症状です。
更年期は筋肉や骨の機能が低下してくる時期でもあるため、最も頻度が高い症状と言われていますが、慢性的に症状を持っている方が多いため、更年期障害の症状と気付かない方が多くいらっしゃいます。

☆関節の痛み
最初は関節が鳴る程度から始まりますが、肩・膝・手首・指などの関節にこわばりや腫れ、人によっては皮膚をアリが這うように感じる場合があります。
自律神経の乱れによって血液の循環が悪くなったり、加齢によって関節内の水分の減少や関節を支えている軟骨や筋肉の衰えなどによって関節の痛みが起こると言われています。

☆物忘れ・集中力、判断力の低下
エストロゲンには神経伝達物質(セロトニンなど)の量を増やし、作用を増強する働きがあるため、エストロゲンの分泌量が減少すると、神経伝達物質が不足してしまうため、記憶の形成や記憶の保存をつかさどる海馬や偏桃体の処理速度が低下して物忘れしやすくなります。

☆疲れやすさ・倦怠感
自律神経が乱れることによって代謝が低下したり、エネルギーを生み出す力が落ちたりもします。
血行不良や臓器機能の低下、体温の低下、抗酸化力の低下、免疫力の低下、睡眠の質の低下などが起こるため、疲れやすくなってしまうのです。

どんな症状が起こるの?~精神編

次に、精神的な症状についてみていきましょう。

☆イライラしやすい・怒りっぽい
エストロゲンの減少はセロトニンの合成を助ける作用があるのは前述した通りなのですが、「しあわせホルモン」と呼ばれるセロトニンが減少することで感情のコントロールが難しくなります。また、神経伝達がうまくできなくなることもイライラの原因とも言われています。

☆憂うつ感・抑うつ症状
上記のような身体の症状が続くことで、憂うつになったり、抑うつ状態になったりすることがあります。
神経伝達の問題だけでなく、更年期という年齢的にも、社会的に不安定で最もストレスを受けやすい時期と言われています。
仕事場の関係、夫婦間の問題、親子関係など、心理的、社会的状況も症状に大きく影響します。

☆不安感・焦燥感
「理由はわからないが不安感がある」「胸の中がざわざわする」「いつも不安に襲われ、安心できる時間がない」など、心に不調がみられます。こちらも身体の症状や日常のストレスに影響されます。

☆意欲の低下
エストロゲンが減少することで、セロトニンと共にノルアドレナリンも機能が低下します。
ノルアドレナリンには、脳を覚醒させたり、想像力が豊かに働いたりする力があるので、それらが行動に移すモチベーションになったりもします。

以上のように、更年期障害と一言で言っても、心身共に様々な症状が起こる可能性があるのです。

更年期障害になりやすい女性の特徴

それでは、どんな女性がなりやすいのでしょうか?
前述した通り、更年期は社会的に不安定で、最もストレスを受けやすい時期と言われており、ストレスを感じていることも更年期障害になりやすいと言えます。
つまり、日常にストレスを感じやすい性格の女性がなりやすいということになります。

※がんばりすぎてしまう人
※真面目で神経質な人
※完璧主義
※仕事や子育て、介護など、心身の負担を強いられる環境にいる人
※引っ越しや子供の自立など、環境が大きく変わった人

など、日常生活の中でストレスを感じる環境にいることが、更年期障害になりやすいと言えるでしょう。

最近は男性更年期なども話を聞くことが増えました、原因としては同じなのですが、女性と違い、症状が緩やかにあらわれる事、年齢が50歳から60歳程度と女性より高めなことが特徴的です。


更年期障害の治療とは

更年期障害の診断と国の補助

更年期障害の問診

ここまでお話したように、更年期障害はホルモンのバランスの急激な変化によるもので起こる様々な症状の事ですが、病院で検査をすることで更年期障害の診断を受けることが出来ます。
診断は婦人科にて
 *問診
  月経の状態や症状の始まった時期、病歴、ストレス等の確認

 *血液検査
  女性ホルモン(エストロゲン、FSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体形成ホルモン)の値
  コレステロール値、血糖値、肝機能、甲状腺機能などを調べる
 
 *婦人科検診(内診)
  膣の様子(潤い)、卵巣嚢腫の有無、子宮がん検診、子宮筋腫や子宮内膜症

 *その他
  骨量測定、卵巣や子宮超音波検査、乳房検査などを行う場合もある

ほとんどが血液検査で診断をしてもらえます。
ちなみに、更年期障害は、障害者年金を受け取ることも可能です。
申請時に必要な条件として

☆初診日がわかる
☆障害の状態が1年6か月以上経過している
☆保険料を納付している

というのがあります。最初に診断をしてもらうタイミングでは、症状がどのくらい続くかわかりませんが、この情報を知っておくことで、申請することが出来ればと思います。
ちなみに、更年期障害からうつ病を発症した場合は障害者手帳を申請することもできます。
本人は無気力になる事が多いため、周りの家族などで手続きの方法などを把握してあげることが大切でしょう。


更年期障害の治療 投薬

診断を受けたら治療が始まります。
●ホルモン補充療法(HRT)
 飲み薬や貼り薬、塗り薬などで、減少したエストロゲン(卵胞ホルモン)を補充する治療法です。
 症状改善の効果があり、顔のほてり、発汗、息切れ、動悸などの血管に関する症状や、イライラ、不眠、憂うつなどの神経症状に効果的です。

●抗うつ剤や抗不安剤
 比較的副作用が少ないSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が使われることが多く。セロトニンの作用を強めることで、不安やイライラなどの感情の暴走を抑えたり、痛みを感じにくくする効果があります。
 
●漢方薬
 「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」「加味逍遙散(かみしょうようさん)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」 の三点が更年期障害の三大処方と言われており、どの漢方が効くかは人によって異なります。

 ・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
  虚弱体質で貧血傾向のある女性に適しており、血行を良くして栄養を補い、水分代謝を促すことで症状を改善します。

 ・加味逍遙散(かみしょうようさん)
  上昇した気を下に降ろして全身にめぐらせるとともに、たまった熱を冷やし、不足している血を補うことで体のバランスを整えます。

 ・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
  滞った「血(けつ)」のめぐりを良くすることで、症状を改善します。
漢方薬は心身のバランスを整えることで、様々な症状を改善する治療薬です。HRTが使用できない時や、症状が多岐に渡る時に用いられます。

HRTは万能な方法ではありませんが、更年期障害の多くの症状に効果的です。婦人科医とよく相談してどの投薬で治療をしていくのかを決めましょう。

更年期障害の投薬以外の治療法

それでは投薬治療の他にどういった治療法があるのでしょうか?

●カウンセリングや心理療法
 専門家によるカウンセリングや心理療法(認知行動療法やリラクゼーションテクニック)は感情的な課題やストレスの管理に役立ち、心理的サポート、ストレス軽減、自己認識向上、ストレス対処策などを受けることが出来ます。

●運動療法
 ストレス解消や気持ちを前向きにする効果があります。
 ウォーキングやジョギング、水泳、ヨガなど血行促進や自律神経を整える働きが運動にはあります。
 運動を行う頻度や時間は体調と相談して無理はしないようにしましょう。

●食事療法
 バランスの取れた食事を心がけ、野菜や果物から必要なビタミン類を、必要な量を摂取しましょう。

女性更年期障害の予防

更年期障害を予防するためのサプリメント

さぷりめんと

そもそも、更年期障害にならないためにはどのような生活を送ることが好ましいのでしょうか?
効果的なサプリメントをご紹介致します。

◎エクオール
 大豆イソフラボンから作られる物質で、大豆イソフラボンが持つエストロゲンに似た作用を強めてくれる働きを持っています。
 大豆イソフラボンが腸内細菌によって代謝されることでエクオールは作られますが、日本人の約半分はこの腸内細菌を持っていないそうです。
 エクオール産生できるかどうかは検査キットで調べることが出来ます。
 大豆アレルギーの方はエクオールの摂取を控えた方がいいので注意しましょう。

◎マルチビタミンミネラル
 各種ビタミンやミネラルをバランスよくつめこんだサプリメントがマルチビタミンミネラルです。一般的に健康増進や不調の予防などに使用されます。心や身体を整える効果や抗酸化作用がありますので、疲れやすく消耗しやすい更年期に取り入れたいサプリメントです。

◎オメガ3脂肪酸
 更年期のうつ気分やホットフラッシュ等の症状に効果的なのがオメガ3脂肪酸のサプリメントです。
別名「n-3系多価不飽和脂肪酸」と呼ばれ、次のような成分が含まれています。

 1.DHA(ドコサヘキサエン酸)
  サバ、サンマ、ニシンなどの青魚に多く含まれる成分
 2.EPA (エイコサペンタエン酸)
  DHAと同じく青魚に多く含まれる成分
 3.αリノレン酸
 えごま油やアマニ油、豆類に多く含まれる成分
これらは体内で生成できないため、サプリメントで摂取することが大切です。


更年期障害を予防する食生活習慣

次に生活習慣を見直しましょう。

◎食生活を見直す
 バランスの良い栄養摂取が大切ですが、すすんで摂取したい栄養素は
 *イソフラボン(豆乳・納豆・油揚げ・豆腐など)
   イソフラボンは、大豆の胚芽部分に含まれるポリフェノールの一種です。エストロゲンの作用によく似た働きをしてくれる栄養素です。イソフラボンは体内に貯蔵できないため、毎日の食事ごとに上記のような大豆製品を取り入れることが勧められます。
 
 *カルシウム(ちりめんじゃこ、鮭などの魚類・ヨーグルト、チーズなどの乳製品)
  カルシウムは骨の主成分として有名ですが、イライラを鎮めたり、血液や筋肉の働きを良くしてくれる成分です。エストロゲンの低下は骨粗しょう症の発症リスクも高めます。
  カルシウムを摂取する場合、吸収を助けるビタミンDが欠かせません。食品で取ることもできますが、日光を浴びることで体内で賛成することが出来るので、日光を浴びる習慣をつけましょう。

 *ビタミン類(特にビタミンEやビタミンC)
  心身を整え、抗酸化作用のあるビタミン類ですが、その中でも肌や血管の老化を抑える作用(抗酸化作用)や血行改善効果があるビタミンE(ナッツ類・油脂類・うなぎ・かぼちゃなど)やビタミンC(緑黄色野菜・イモ類・アセロラ・いちごなど)を積極的に摂取すると、更年期障害の予防になります。

 *タンパク質(肉類、魚類、卵、乳製品などの動物性タンパク・大豆などの植物性タンパク)
   筋肉を作るたんぱく質を摂取することで、筋肉をつけ、熱を作り出す効率をあげ、血行を良くすることで、不調の改善が期待できます。内臓脂肪も燃えやすくなるので、生活習慣病の予防にもつながります。ただし、タンパク質を取るだけでなく、運動する習慣も付けるようにしましょう。

更年期障害を予防するための生活習慣

 ◎禁煙をする
  血行不良には喫煙は大きな原因の一つです。血管を収縮させる作用のある喫煙は、更年期障害だけでなく、様々な病気の原因にもなります。健康を守るためにも、禁煙をしましょう。

 ◎温活をする
  温活は女性ホルモンのバランスを整え、子宮や卵巣を健康に保つ効果があります。

 ◎十分な睡眠をとる
  エストロゲンが低下するから自律神経の不調が起き、自律神経が不調になるからエストロゲンの分泌が低下します。
  つまり、自律神経の不調を抑えることで、エストロゲンの分泌を必要以上に減少させないことが更年期障害の予防になります。
  寝る2時間前にはスマホを触らない、アルコールを控える、夕方以降のカフェインを控える等、質のいい睡眠をとることで、更年期障害を予防します。    

 ◎運動習慣をつける
  運動は血行促進、自律神経のバランスを整える作用、ストレス解消、ダイエットなど更年期の不調を和らげる効果があります。
  ストレスを感じないよう、無理のない範囲で続けながら、一週間に3~4回程度の有酸素運動を行っていきましょう。
無理のない運動を習慣にしましょう。運動の頻度は1週間に3~4回が望ましいですが、日頃運動していない人はあまり無理をせず、各

 ◎カイロプラクティックや整体を受ける
  ストレスの緩和だけでなく、整体やカイロには血行改善や自律神経を整える効果が期待できます。
  揉みほぐすだけのお店ですと、ストレスの緩和にはなりますが、自律神経を整えるような効果は期待できません。施術者との相性もストレスになっては意味がないので、自分と相性のいい施術者で、整体やカイロプラクティックを探すことをおススメします。

その他にも、心のケアを意識しましょう。誰かと食事をしたり、心から楽しいと思えることや趣味を見つけたり、何かに没頭する自分だけのための時間を作ることも心の健康に役立つでしょう。

まとめ

札幌駅前整体アートカイロは札幌駅徒歩3分の根本改善に向けての「カイロプラクティック整体院」です。

アートカイロ整体院は痛みや症状のある部位だけでなく、カウンセリング・検査の上で全身のバランスを整えるので根本改善・再発防止が目指せます。アクティベーターで神経の流れを活性化する事で、肩こり・頭痛・眼精疲労・腰痛・など慢性的な症状にも効果が期待できます。

様々な症状でお悩みの方、他のお店で改善がみられない方は是歩ご相談ください。
一緒に痛みのない楽しい日常と未来を目指しましょう!

札幌駅前整体アートカイロ
〒060-0807
北海道札幌市北区北7条西4丁目8−3 北口ヨシヤビル10F
TEL 011-299-2919

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このコラムを書いた人

札幌駅のカイロプラクティック整体院・アートカイロ河村 亜弥 (かわむら あや)

整体セラピスト歴6年:マタニティ整体・産後骨盤矯正・一般整体担当メッセージ

札幌のマタニティ・産後骨盤矯正の専門整体のセラピストの河村亜弥です。
私自身は子供を持たないまま40を過ぎましたが、友人の子供たちや、アートカイロに来てくれる子供たちに癒されながら毎日を過ごしております。妊活のお客様が、マタニティになって、産後になっていくのが今の喜びです。まだまだ未熟なところもございますが、札幌の女性たちを笑顔にできるよう、今後もコラムを展開していきます。
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