産後の貧血、症状と対策

産後の貧血、症状と対策

主に産後の骨盤矯正を行っている当店のお客様のお悩みの一つに、産後の貧血があります。
そもそも出産時の出血が多かった場合もありますが、産後育児中に貧血を発症する場合もあります。
完全母乳育児をなさっていて、家族やパートナーのサポートが手薄な場合、ママの食事やメンテナンスは後回しになりがちですよね。
出産で失われた血液が戻るまでは1ヶ月と言われていますが、その後の生活次第で、ママの血液はどんどん薄くなって、全身に酸素を運ぶのが困難になってしまったりもします。
本日は、産後の貧血について、原因や症状、食事や生活習慣の見直しで出来る対策まで、いろいろと掘り下げてご紹介していきたいと思います。
育児中にママが元気でいることが家族の幸せにつながりますし、無理をして母乳育児を続けることがママと赤ちゃんの幸せとも限りませんが、貧血を改善することで得られるママの幸せに寄り添ってお話していきたいと思います。

産後ならではの貧血

産後の貧血の原因

ママの貧血

ではまず産後に貧血になる原因についてみていきましょう。

*出産時の出血による一時的な貧血
 出産時に多くの血液が失われるため一時的な貧血になる

*子宮復古不全による出血量の増加
 出産後に子宮が元に戻る子宮復古に問題が起きる(子宮内に胎盤の一部が残っている・母体疲労など)ことで、出血や悪露が長引くことで貧血になる

*月経の再開による貧血の悪化
 母乳で授乳をしていないと、早い方で産後2~4か月、授乳をしている方で産後8か月~1年程度で月経が再開します。
 月経が再開することで鉄を失うスピードがさらに速くなり貧血状態が酷くなる方もいます

*母乳による鉄分の喪失
 母乳は血液から作られているため、鉄分をはじめ様々な栄養素が含まれています。母乳を授乳することで赤ちゃんに鉄分が与えられ、ママの体内の鉄分が減少してしまいます。鉄分は優先的に母乳に送られる特徴があります。ママの鉄分が不足すると、赤血球の数が減り、酸素の供給が十分にできなくなり、貧血になる

*睡眠不足による貧血
 深夜の授乳で睡眠不足になる事で鉄分の吸収が妨げられてしまい、貧血になる

産後の貧血がいつまで続くのかは、個人差がありますが、産後1~2年は特に貧血に気をつけた方が良いでしょう。


産後の貧血の症状とホルモンバランス

産後は妊娠中に大きく変化した女性ホルモンのバランスが、また大きく変化をする期間です。この変化は出産後、最初の月経を迎えるころに落ち着いてきますが、バランスが戻るまでの期間には個人差があります。
ホルモンバランスの変化は自律神経のバランスを乱し、交感神経が優位になる事でさらに不調を招きます。
実は、鉄分不足も交感神経が優位になる原因の一つで、アドレナリンやノルアドレナリンの量が増加することが分かっています。
末梢神経の収縮や血行障害を引き起こすので、筋肉の緊張を引き起こす可能性もあるので、肩こりや首こりの原因にもなります。
自律神経が乱れることで

〇睡眠のリズムが乱れて、寝起きが悪くなったり、夜中に目が覚めてしまう
〇ちょっとしたことで思い悩んでしまう
〇憂鬱な気分が長く続いてしまう

等の症状を起こします。

鉄分が不足すると女性ホルモンも減少するので、鉄分とホルモンのバランスに気をつけることが必要です。

今鉄分が不足しているかは

☆顔色・まぶたの色(蒼白ではないかどうか)
☆氷などをよく食べる(異食症)
☆動悸・息切れ・疲れやすさなどの症状
☆爪の変形(凸型ではなくスプーン上にへこんだ形)

などで確認してください

産後の貧血の怖さ

産後の貧血が続くと、次のような症状や影響が考えられます。

☆疲れやすい・気分がすぐれない
産後の育児で疲れているのが普通になったりするため、気付きづらいですが、ヘモグロビン量が減少することによって、身体が酸欠を起こしている状態です

☆母乳が出づらくなる
前述したとおり母乳はママの鉄分を削って作られているので、ママが鉄分不足になる事で、母乳の出が悪くなります

☆産後うつの発症リスクが上がる
自律神経の乱れによって不眠になったり、憂鬱な気分が続いたりするので、産後うつになるリスクが上がると言われています

☆産後の回復が遅くなる
自律神経の乱れは、身体の回復を遅らせる一番の原因です。交感神経が優位になる事で、身体を休めて回復させる機能が落ちるため、産後に身体を回復させたくてもその力が出せなくなります

前述したすべてをまとめると【身体の回復や育児活動の安定が遅れる】ということになります。

軽い貧血ではだるさ程度の症状しか起こらず、見逃されて悪化するケースが珍しくないので、だるさが続く場合には受診して貧血の有無を確かめることが重要です。
赤ちゃんの検診の時に主治医に相談するのが一番かもしれません。

産後の貧血の対策

生活改善で貧血対策

生活習慣の改善

「貧血っぽいな」と思った時、生活習慣を改善することが大切になります。
では、貧血を改善するためにはどのような生活を送る事が好ましいのでしょう?

☆栄養バランスの良い食事を一日3食、規則正しく食べる
 主食・主菜・副菜がそろった食事を心がける

☆タンパク質を十分に摂る
 ヘモグロビンはタンパク質と鉄分から構成されているので、どちらか一方が不足しても貧血を起こす要因になります
 
☆鉄を多く含む食品を積極的に摂る
 赤身の肉や魚など次の項で詳しくお話します

☆鉄の吸収を助けるビタミンCを摂る

☆鉄の吸収を阻害する食品を控える
 食事中の緑茶やコーヒー、紅茶などタンニンを含む飲み物は避けましょう

☆加工品に偏らず手作りもする
 インスタント食品も鉄分の吸収を阻害する成分が含まれている場合があります。手作りすることでリスクを減らしましょう

☆暴飲暴食を避ける
 アルコールの飲みすぎや過食は胃腸に負担をかけて栄養素の吸収を妨げます

☆ストレスをためず、規則正しい生活をする
 ストレスによって胃腸の働きが弱まる事で栄養の吸収が妨げられます

以上のような生活を心がけることで、貧血の原因になる鉄欠乏を予防します。


貧血対策に効果的な鉄分

産後の貧血の多くは『鉄分乏性貧血』です。
体内の鉄分が少なく、酸素を全身に届けることが出来なくなると鉄欠乏貧血が起こります。
予防、対策するためには鉄分の摂取と、赤血球を作り出す時に使われる葉酸を摂ることも意識しましょう。

鉄分には≪ヘム鉄≫と≪非ヘム鉄≫があります。
ヘム鉄と非ヘム鉄は、同じ鉄分でも特徴が大きく違うため特性を理解して摂取することが大切です。

吸収率:ヘム鉄は非ヘム鉄の約5倍も吸収率が高い特徴があります
     体内への吸収率もヘム鉄が15~25%なのに対し、非ヘム鉄は2~5%程度です

副作用:非ヘム鉄は胃のむかつきや吐き気などの副作用が比較的多いのに比べ
     ヘム鉄はこれらの副作用が出にくいと言われています。

吸収阻害:非ヘム鉄は腸管から吸収される際に食物繊維やタンニンなどからの吸収阻害を受けやすいですが
       ヘム鉄は受けにくいと言われています。

過剰摂取:ヘム鉄はヘムオキシゲナーゼで吸収量が調節されるため、鉄の過剰摂取にもなりにくいという特徴があります。

非ヘム鉄はビタミンCや動物性たんぱく質、酵素などの働きによって吸収されるので、ヘム鉄と違って一緒に摂る食べ物の影響を受けやすいため効率よく鉄分を吸収できる食べ物と組み合わせる必要があります。

貧血対策にいい食品

鉄を多く含む食材

ではそれぞれ多く含まれている食品をご紹介
ヘム鉄の保有量が多い順に記載していきます

〇ヘム鉄
 1.豚レバー  2.鶏レバー  3.赤貝    4.牛レバー   5.牛肉
 6.めざし    7.砂肝     8.まいわし  9.カツオ   10.まぐろ

〇非ヘム鉄
 1.レンズ豆  2.納豆     3.小松菜   4.枝豆     5.ひじき
 6.厚揚げ   7.サラダ菜  8.そら豆    9.水菜    
10.ほうれん草

前の項でお話した通り、非ヘム鉄は一緒に摂る食べ物に注意が必要です。
ビタミンC、クエン酸、タンパク質などと一緒に摂れば吸収率が上がります。
味付けをお酢やポン酢などクエン酸を含むものでしてみたり、レモンやかぼすなどを絞ってみるだけでもいいでしょう。

ちなみに赤血球を作り出す時に使われる葉酸を多く含む食品もご案内
〇葉酸
 1.海苔     2.ブロッコリー  3.生うに    4.豚肉    5.枝豆
 6.きなこ    7.芽キャベツ   8.ほうれん草 9.筋子   10.ごま

上記のような食材をバランスよく使うことが貧血の改善につながります。

それでもひどい貧血にはケミカル

それでも貧血がおさまらない、育児で食事もままならない時は、サプリメントに頼るのも一つの手です。
ヘム鉄、葉酸、ビタミンCなど様々なサプリメントが販売されている昨今、食事で摂取するより効率的に栄養素を摂れたりもします。

病院で貧血の治療をする場合も鉄剤(造血剤)を服用してヘモグロビンの濃度を回復させたりします。
しかし、鉄剤は吐き気や食欲不振、下痢などの副作用がある場合があるので、最近は注射やシロップ剤を使用することもできます。
ふらつきなどがある場合、漢方薬(人参養栄湯)を処方する医院もあります。

産後貧血の場合、出産後に血液検査を行い、回復食を利用している施設が多いようですが、入院が長引いたり、退院後も服用する鉄剤を処方する場合もあるようで、産後うつのリスク回避のためにも、きちんと貧血を治療しておくことが大切なようです。


まとめ

札幌駅前整体アートカイロは札幌駅から徒歩3分、完全予約制の「産後の骨盤矯正専門整体」です。

産後はホルモンバランスや生活習慣の変動で体調不良が出やすい時期です。整体で身体の悩みを軽減し、産後のかけがえのない時期を快適に過ごせるよう、サポート致します!
自然分娩は1週間後~、帝王切開は2週間後~施術可能です。

札幌駅前アートカイロでは、お子様を預ける先がない産後・育児中のママのために、お子様同伴で受けていただける産後ケア・産後骨盤矯正・産後整体を行っております。ママが施術を受けている間は、スタッフがお子様をみておりますので安心して施術を受けていただけます。
ご希望の方はご予約時にお知らせください。

札幌駅前整体アートカイロ
〒060-0807
北海道札幌市北区北7条西4丁目8−3 北口ヨシヤビル10F
TEL 011-299-2919

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このコラムを書いた人

札幌駅のカイロプラクティック整体院・アートカイロ河村 亜弥 (かわむら あや)

整体セラピスト歴6年:マタニティ整体・産後骨盤矯正・一般整体担当メッセージ

札幌のマタニティ・産後骨盤矯正の専門整体のセラピストの河村亜弥です。
私自身は子供を持たないまま40を過ぎましたが、友人の子供たちや、アートカイロに来てくれる子供たちに癒されながら毎日を過ごしております。妊活のお客様が、マタニティになって、産後になっていくのが今の喜びです。まだまだ未熟なところもございますが、札幌の女性たちを笑顔にできるよう、今後もコラムを展開していきます。
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