妊婦貧血ってなに?原因と対策とは

妊婦貧血ってなに?原因と対策とは

快適なマタニティライフのために、さまざまな記事を提供していくアートカイロです。
このコラムを読んでいただいている方々は妊娠を望んでいる方や妊婦さんが多いと思います。
妊娠することに不安を感じてしまう方の中には、妊娠中の症状を調べて不安になってしまう方もいるでしょう。
しかし、事前に対処法や原因を知っておくことで妊娠中の不安を少しでも軽くしておくことが大切だと私は考えています。ですので、今日は『妊婦貧血』について深堀りしていきたいと思います。
「赤ちゃんがお腹にいるんだから、眠くもなるし、血もなくなるだろう」と安易に考えていたのですが、「そういえば詳しくは知らないなぁ」と、マタニティ整体のセラピストにあるまじき事実に気付いたので、私の勉強も含めて詳しくお伝えしていきたいと思います。
もう貧血になってしまっている方も、まだ貧血ではないと思うけど・・・なあなたも、妊娠したらどんなことが起こるんだろうと不安なあなたも、みなさんの心が少しでも軽くなることを願っています。
それでは最後までお付き合いください。

妊娠中の貧血について

そもそも妊婦貧血とは?

妊婦さんの貧血

『妊婦貧血』とは?
妊婦さんに起こる貧血の総称で「鉄欠乏性貧血」と「葉酸欠乏性貧血」があります。
診断基準はヘモグロビン値とヘマトクリット値の量ですが、妊娠期間によってその基準は異なります。
非妊娠時の成人女性の貧血基準が
ヘモグロビン 12.0g/dl未満  ヘマトクリット 36%未満
であるのに対し
妊娠初期と妊娠後期の基準は
ヘモグロビン 11.0g/dl未満  ヘマトクリット 33%未満
妊娠中期の基準は
ヘモグロビン 10.5g/dl未満  ヘマトクリット 32%未満
となっています。
非妊娠時より薄いのが普通なのが妊娠時ともいえるようです。

妊娠中は赤ちゃんの成長のためにママに蓄えられていた鉄分が赤ちゃんに優先的に送られます。
妊娠中は栄養と酸素を赤ちゃんとママが共有するため、血液量が多くなります、血液量だけでいうと妊娠32週頃には40~45%も非妊娠時より多くなるそうです。
その時赤血球も増えますが、それ以上に血しょう(血液細胞以外の成分)が多くなるため、血液が薄くなり貧血を起こします。
成分献血をしたことのある方ならわかると思いますが、成分献血で袋に溜まっているちょっと黄色い液体が血しょうです。
血液が薄くなるのは、血液の粘度が下がって血栓閉栓(血液中にできた血栓が血管をふさぎ末端に循環不全を引き起こす病気)を予防するメリットがありますが、貧血が悪化すると赤ちゃんの生育にも影響が出るので、食生活の改善や治療が必要になります。


妊婦貧血 ①鉄欠乏性貧血の原因と症状

前の項でもお話しましたが、妊婦貧血には二種類あります。まずは鉄欠乏性貧血について詳しくお話します。

鉄欠乏性貧血
【解説と原因】
私たちの身体には3~5グラムの鉄が存在していて、その大部分はヘモグロビンとして赤血球の中に含まれています。
赤血球の寿命は120日で、壊れた赤血球と同じ量を骨髄の中で作っています。古くなった赤血球はマクロファージ(掃除屋)という細胞により破壊され、ヘモグロビンに含まれる鉄は再利用されます。
赤血球を作るための鉄分は再利用されているというわけです。
私たちは胃や腸などの消化管や汗や皮脂細胞に含まれる鉄分が1日に1~2グラム程度失われています。
しかし、毎日の食事から1~2グラムの鉄分を吸収、補充するため鉄が不足することがないようにできています。
出血や、食事の偏りなどがない場合は非妊娠時には貧血になる事はないようにできているのが私たちの身体なのですが。
上記でお話した通り、妊娠中は赤ちゃんの成長のためにママの身体に蓄えてある鉄分が優先的に送られてしまいます。
体内の鉄分が不足することで、赤血球の生成が妨げられ、酸素の運搬能力が低下することで、鉄欠乏性貧血となります。

女性に多い疾患で、実は私も一歩手前でした。
月経の経血の量が多くてもなるこの鉄欠乏性貧血。病院で血液検査をすることで、今身体に蓄えられている鉄分量を知ることができるので、産院や婦人科で相談するとすぐに解決できるものでもあります。

【症状】
〇無症状⇒健康診断などの採血結果で指摘されます、献血に行った際に「血が薄くてダメ」と言われたことがある場合も可能性があります
〇顔色の悪さ⇒赤みがない、顔面蒼白、くすんで見えたりするのも血液が薄くなっている場合があります
〇疲労感、倦怠感⇒身体を動かす筋肉の酸素が不足するため、動かすのがおっくうになります
〇息切れ⇒体内に酸素を取り込もうとするので、呼吸が早くなります
〇動悸⇒体内の酸素を運ぶために心拍数が増えます
〇さじ状爪⇒爪が反りかえる、割れやすい、もろいなど爪を作る指先まで酸素が供給されなくなる

症状が強くなってくると集中力ややる気の低下がみられるなど日常生活に大きな影響が出てきます。

妊婦貧血 ②葉酸欠乏性貧血の原因と症状

それではもう一つの葉酸欠乏性貧血を見ていきましょう。

葉酸欠乏性貧血
【解説と原因】
巨赤芽球性(きょせきがきゅうせい)貧血とも呼ばれ、葉酸(ビタミンの一種)やビタミンB12が不足することによって起こる貧血です。
これらのビタミンは赤血球の細胞の骨格を維持するのに必要な物質で、不足すると、DNAの合成時に異常が生まれ、通常より大きなサイズの赤血球の元(巨赤芽球)が作られてしまいます。
この巨赤芽球は多くが赤血球になる前に壊れてしまうので、正常な赤血球が不足して貧血が起こります。
ビタミンB12の欠乏の原因としては、ビタミンB12を吸収するのに必要な内因子という物質やそれを産む胃の壁の細胞に対して自己免疫機能が働き、ビタミンB12が吸収できなくなるという悪性貧血が代表的なもので。
胃の全摘出や小腸疾患などが原因で、ビタミンB12は体内に貯蔵できるため貧血になるまでは時間がかかるのですが、妊娠期間中は鉄と同様に赤ちゃんに栄養がいくので、ビタミンB12も不足しがちになります。
葉酸欠乏の原因としては、偏食やアルコール依存症などにより摂取不足、消化疾患による吸収不良、薬剤投与によるものがありますが、赤ちゃんはママの葉酸によってDNAの合成を行い、脳やせき髄、心臓などの重要な部分を細胞分裂によって形成します。
したがって妊娠初期はママの葉酸も不足してしまうのです。
ママの貧血以外にも、葉酸不足は赤ちゃんの細胞分裂の失敗によるまひなどの障害や流産。死産の危険性も生まれてしまいます。
葉酸は400μg/日、ビタミンB12は2.8μg/日の摂取が必要とされています。

【症状】
症状は鉄欠乏貧血と同じく
〇動悸
〇息切れ
〇疲労感

がありますが。加えて

〇萎縮性胃炎⇒胃液や胃酸を分泌する組織が減少して胃の粘膜が萎縮してしまう
〇ハンター舌炎⇒味覚障害や舌の痛みを伴う炎症
等の消化器系の異常

ビタミンB12の欠乏による
〇手足のしびれ
〇思考力の低下
〇性格変化
等の神経症状も起こる事があります。

妊婦貧血の対策

妊婦貧血の対策 鉄分について

鉄分を多く含む食品

前述したように人間の身体は鉄が不足しないようにできています。ですので、食事やサプリメントなど経口で補給するのが一般的です。
まずは鉄分についてお話いたします。

鉄分には≪ヘム鉄≫と≪非ヘム鉄≫があります。
ヘム鉄と非ヘム鉄は、同じ鉄分でも特徴が大きく違うため特性を理解して摂取することが大切です。

吸収率:ヘム鉄は非ヘム鉄の約5倍も吸収率が高い特徴があります
     体内への吸収率もヘム鉄が15~25%なのに対し、非ヘム鉄は2~5%程度です

副作用:非ヘム鉄は胃のむかつきや吐き気などの副作用が比較的多いのに比べ
     ヘム鉄はこれらの副作用が出にくいと言われています。

吸収阻害:非ヘム鉄は腸管から吸収される際に食物繊維やタンニンなどからの吸収阻害を受けやすいですが
       ヘム鉄は受けにくいと言われています。

過剰摂取:ヘム鉄はヘムオキシゲナーゼで吸収量が調節されるため、鉄の過剰摂取にもなりにくいという特徴があります。

非ヘム鉄はビタミンCや動物性たんぱく質、酵素などの働きによって吸収されるので、ヘム鉄と違って一緒に摂る食べ物の影響を受けやすいため効率よく鉄分を吸収できる食べ物と組み合わせる必要があります。

このお話は産後の貧血のコラムでもお話しています。
サプリメントでもヘム鉄や葉酸がありますが、病院で処方される鉄剤は非ヘム鉄が多いため上記したように、副作用が多く、一緒に食べるものの影響を受けやすいです。
最近は妊婦さん用の鉄+葉酸のようなサプリメントもあるので、用法容量を守って使うと強い味方になってくれそうですね。


鉄欠乏性貧血対策 鉄を多く含む食品

まずは、吸収力が高いヘム鉄を含んだ食品からご紹介。
ヘム鉄は主に動物性の鉄分に多く含まれています。
・豚レバー   ・鶏レバー  ・牛レバー  ・砂肝  ・牛肉
・カツオ     ・まぐろ    ・イワシ   ・赤貝  ・めざし

生で食べるのが好ましいですが、妊娠中に生ものはちょっと・・・ですし、味に癖のあるので、苦手な方が多い食材が多いです

次に非ヘム鉄の食品。
非ヘム鉄は主に大豆製品や緑黄色野菜に含まれています
・調整豆乳   ・納豆     ・大豆    ・レンズ豆   ・枝豆
・小松菜     ・春菊    ほうれん草 ・サラダ菜   ・水菜
などです。

前述した通りビタミンCやクエン酸、酵素(発酵食品)などと一緒に摂取することで、吸収率が上がります。
ビタミンC
・ブロッコリー   ・トマト   ・イチゴ    ・メロン   ・パプリカなどの果実や野菜
クエン酸
・レモン      ・シークワーサー   ・温州ミカン    ・梅干し   ・お酢

葉酸欠乏性貧血 葉酸を含む食品

葉酸は、様々な食品に含まれていて、摂取しやすそうなビタミンですが、平均摂取量は、推奨摂取量に少し足りていない位と言われています。つまり、妊娠中に赤ちゃんに栄養を奪われるとすぐに足りなくなってしまうのです。
それでは、分類別に葉酸が多い食品を見ていきましょう。

☆野菜類
・枝豆     ・芽キャベツ     ・菜の花     ・アスパラガス     ・ニンニクの芽
・ブロッコリー     ・オクラ     ・ほうれん草     ・モロヘイヤ

☆果物類
・ライチ     ・イチゴ     ・アボカド     ・マンゴー     ・パパイヤ
・さくらんぼ

☆肉類
・鶏レバー     ・牛レバー     ・豚レバー     ・フォアグラ     ・卵黄

☆魚介類
・ウナギ肝     ・ウニ     ・すじこ     ・ホタテ

☆その他の食品
・焼き海苔     ・抹茶     ・ワカメ素干し     ・青のり

葉酸欠乏性貧血 ビタミンB12を多く含む食品

それでは次に、ビタミンB12を多く含む食品をご紹介
ビタミンB12は主に動物性の食品に含まれており、果実や野菜には含まれていません。

☆貝類
・しじみ     ・あさり     ・あげまき     ・あかがい     ・ほっきがい     ・かき

☆魚類
・イワシ     ・サバ     ・さけ     ・ます     ・あゆ     ・やつめうなぎ

☆肉類
・鳥レバー     ・牛レバー     ・豚レバー     ・牛肉

☆海藻類
・焼きのり     ・青のり     ・あおさ     ・岩のり

☆その他の食品
・チーズ     ・卵全般

以上がビタミンB12の含有量が多いと言われている食品です。 

それでもだめならサプリで対策

ビタミンや鉄分の不足を補う為に一番簡単なのはサプリメントです!
妊娠中のママや妊活中の方にお勧めのサプリメントとして、各社で葉酸と鉄分が含まれているタイプのものがございます。

非妊娠期の貧血の場合は、サプリメントだけではまかないきれないので、まずは貧血の原因を見つけて治療することが大切です。
鉄欠乏性貧血の項でお話しましたが、私はこの疾患の一歩手前でした。
健康診断の血液検査で貧血と言われ、要経過観察になっていましたが、ヘム鉄のサプリメントを飲むだけでは改善はしませんでした。
原因をしっかり見つけて、治療することで治るのも貧血の特徴でもあります。

しかし、原因がわかっている妊婦貧血は、ひたすら鉄と葉酸とビタミンB12などの必要な栄養素をまんべんなく取ることが一番大切になります。
効率的に栄養を摂る場合サプリメントに頼るのも一つの手になります。
快適なマタニティライフを送るために使えるものは使っていきましょう!


まとめ

札幌駅前整体アートカイロは完全予約制の「マタニティ専門整体」です。

当店には様々な症状を持った妊婦さんがいらっしゃいます。
妊婦さんも使える骨盤ベルトの販売や、エクササイズのご案内もいたしておりますので、気になる症状がある方は我慢しないでご相談ください。
札幌駅前整体アートカイロでは妊娠初期から出産予定日まで施術を受けて頂くことが可能です。


札幌駅前整体アートカイロ「マタニティ専門整体」
〒060-0807
北海道札幌市北区北7条西4丁目8−3 北口ヨシヤビル10F
TEL 011-299-2919

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このコラムを書いた人

札幌駅のカイロプラクティック整体院・アートカイロ河村 亜弥 (かわむら あや)

整体セラピスト歴6年:マタニティ整体・産後骨盤矯正・一般整体担当メッセージ

札幌のマタニティ・産後骨盤矯正の専門整体のセラピストの河村亜弥です。
私自身は子供を持たないまま40を過ぎましたが、友人の子供たちや、アートカイロに来てくれる子供たちに癒されながら毎日を過ごしております。妊活のお客様が、マタニティになって、産後になっていくのが今の喜びです。まだまだ未熟なところもございますが、札幌の女性たちを笑顔にできるよう、今後もコラムを展開していきます。
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